痛みを知っていること
花ちゃんを家まで送りながら、弓弦くんは花ちゃんがお父さんに会った話を聞きます。
親族全体が医者一家であるということを話す弓弦くんには、前のような吐き捨てるような感じはありません。
ただ淡々と、自分のよく知らない親族のことを話す感じが、依然とは違う様子をうかがわせます。
花ちゃんは、自分も沢山勉強して看護師になる、と決意を口にしますが、弓弦くんは大事なことを指摘します。
看護とは、「人の心に寄り添う」ことなのではないのか、と。
それは花ちゃんの天性の才能だから大丈夫だと。
それを聞いた花ちゃんは、弓弦くんこそいろんなつらさを超えて、人の痛みが分かる人だと伝えます。
弓弦くんは、驚いた表情。
でしょうよねー(苦笑)。
でも、この花ちゃんの言葉が、弓弦くんにある決断をさせることになるのでした。
次の日曜日、昼間はデート、夜は雨宮家で家族会議ということになった2人。
花ちゃんは待ち合わせ前に、街をぷらぷら。
なんか、久しぶりに見た気がする、こんな気の抜けた花ちゃん。ほっこりする(笑)。
新しくできたお店に入ってみると、そこはどうもカッコイイ系の服を扱うお店だったよう。
そしてお値段がご立派。
値札を見てヒィとなる花ちゃんに、店員さんが声をかけてくれますが、花ちゃんが愛想笑いで返したその相手は、なんとルカちゃんでした。
そういや就職するとか言ってたね(←温度差)。
うーわ!という気持ちになったのは読者だけではありますまい。
ルカちゃんも思ってました(汗)。
花ちゃんは、戸惑った様子は見せつつもどう思っているのかは表現されず。
このシーンから始まる86話は、まるっとルカちゃんのターン。
いやはや、もうなんていうか、重い(汗)。
苦しい胸の内
新しい生活の中で、彼女はやはり過去の自分や弓弦くんとの思い出に囚われていて、いろんな変化を本当には受け入れようとしていません。
街中で、花ちゃんと待ち合わせしている弓弦くんの穏やかな顔を見て、ショックを受けて倒れてしまうほどに、彼女の心は弓弦くんに絡まっています。
だけど、その苦しい苦しい胸の内は、なんとなく分かるような、同情したくなるような感じもあって。
弓弦くんが幸せそうである様子を見て、自分が「恋をしていた」と思ったあの頃、恋をすることで幸せだっただろうか、という大事なことに気付いてしまったルカちゃん。
涙をこぼしながら、でもちゃんと好きなんだと思う彼女は、もう痛々しくてかわいそうですらあります。
そういう時期ってあるよね、若いうちってね、とオバチャンなんかは思ってしまうけれど、若い人が読んだらもうきゅうってなってしまうんだろうなぁ(遠い目)。
君に幸あれ、と思うところでルカちゃんのターンは終わってゆき、続く87話では、雨宮家でのごはんと会議と、そして弓弦くんと光くんの男同士の会話が見られます(ほっこり)。
同士
いつまでも「ゆじゅるくん」と呼ぶ光くんと、「チビ」と呼ぶ弓弦くんの会話が超絶かわいい…!(悶)
ルカちゃんに昼間に会ったことを花ちゃんに聞いた弓弦くんは、彼女のことを思います。
似たところが多い、同士とも言える存在のことを。
自分に執着しているのは知っているけれど、それでは幸せになれないことも分かっていて。
だけど、それは弓弦くんではなくてルカちゃん自身が自分と向き合わなくては変えられないことなのだと、弓弦くんは思います。
今更ルカちゃんに会いに行って、決着をつけてあげようとは思わないあたりが弓弦くんらしくていいですよね(苦笑)。
ある日、バイト先に現れた兄・未来くんと話す弓弦くん。
以前のように彼を邪険にすることもなく、ちゃんと会話していることに、オバチャンもう感動しちゃいました。
すごい変化ですよ!
未来くんもいっぱいしゃべってくれる!と喜んでいます(苦笑)。
医者を目指す未来くんに、弓弦くんはここである質問をしています。
その質問とは…?