きっと愛してしまうんだ。第35話のあらすじと感想をまとめました。
とうとう来てしまいました最終回…!
どこまで描かれるのかをとても楽しみな最終回は7巻に収録されています。
きっと愛してしまうんだ 前回までのあらすじ
前回は、歩の祖父善六を自宅に戻すにあたって、歩の母もしばらく同居すると言います。
谷地は藤田家を出て近所に引っ越し、1年くらいかけて結婚準備をしようというところで終わっていました。
きっと愛してしまうんだ。最終回のネタバレ
引用元: https://petitcomic.com/
善六が戻るにあたって、いくつかのリフォームの見積もり中。
そこへ谷地が善六のために新しい布団をプレゼントだと持って帰ってきます。
この時の、善ちゃんの「これを俊ちゃんと思うて大事にするわ!」という号泣しながらのお礼の言い方がかわいいです。
歩の母は「自分の引っ越しもあるでしょうに 気の回る子ねぇ…」と呟き、歩はなんとも言えない表情でそれを聞いています。両家公認の婚約者となったからか、谷地は母の前でも明るく笑顔で「歩」と呼びます。
…今までエッチ以外は「藤田」呼びだったのに。読者に違和感…!何かある…!
〝両家公認の婚約者となった なのに私は 谷地くんがこの家を出て行くことばかり考えている″
歩は心の中で呟いています。
そんな歩は、ランチタイムに綾野と有元に話を聞いてもらいます。
婚約を祝福されて、なおかつ「男って結婚とかの責任から逃げがちじゃないですか」という綾野達に谷地がどれほどちゃんと結婚について考えてくれているかを話します。
有元は「もしかして 藤田さんが迷ってるんですか?」と指摘。
それはマリッジブルーで平気になるから大丈夫と口をそろえて言われて、歩はそうなのかな、と納得したようなそぶりをするしかありません。
谷地は、いつも通りに過ごしているように見えます。
いつでも「歩」と呼びながら。
〝結婚なんて まだ実感もわかなくて 今の生活が終わることだって私は ほんとはよく分かってない気がする″という歩の独白が切ないです。
翌朝、歩が起きてみると谷地はすでにいません。会社で仕事が忙しいのか聞くと、
「帰り早く出て不動産回りしようと思って」と言う谷地。
〝私も一緒に回りたかった″と思いながら
「ごめんね、谷地くんにばかり負担かけて」
谷地はいつもの通りなんともないことのように「?何を 俺の引っ越しだけど」
周囲をチェックしてから「二人の新居の相場も見て回ってくるから 歩」とこっそり歩を抱き寄せて言います。
…そういうことじゃねぇんだ谷地くんよ…!と思わず谷地くんの顎をつかみたくなる読者。
そんな一人で起きる朝が続いて、ある日歩はアパートの仮契約書類を枕元に見つけます。
2駅隣の物件です。
…遠くない…?ほんとに藤田家界隈がよくない…?!と思う読者。
会社では歩に恋をしていた佐内には、きっと彼女の心情が分かったのでしょう。
谷地に話があると呼びだして、婚約の祝福をしますが、
「谷地さんは藤田さんに相応しい男でいてくださいよ…俺に 略奪とか不倫とかコスパ悪いこと でもそれすらも〝筋がとおる″なんて一瞬でも思わせないでくださいよ」と佐内流の叱咤。
「それじゃお幸せに」と全然心のこもってない挨拶をして去る佐内。
谷地は「だから頑張ってるんじゃないか」とひとりごちます。
…だから谷地くん、頑張り方がよぅ…!ともどかしくてイライラしました…。
歩はそんな谷地の気持ちを分かっているから、そんな谷地の〝正しさ″を分かっているから、何も言えないのだけれどこりゃあよくないよ、と思ってしまうオバちゃん読者。
寝室の天井を眺めながら、「もっともっと 二人だけでこの家に暮らしていたかった」とハッキリと気付き、うたた寝してしまう歩。
ガタリと音が聞こえて降りてみると、玄関で眠りこんでる谷地の姿が。
疲れた様子の谷地。
〝頑張ってくれてる人に簡単に頑張らなくていいなんて言うのは絶対に違う″
そこで歩はココアを飲もうと誘います。
今年初のセーターを着る谷地と一緒におそろいのマグカップで飲むココアのシーンからは、ずっと見守ってきた読者はもう涙するしかありません。
しまいこんでた匂いがすると言う歩に、谷地がにおうかと聞くと、「この家の匂い」とほほ笑んで言われ、ココアを飲みながら壁時計が鳴る音だけが響きます。
ようやく、谷地は自分がこの家を出て行くのだということを実感。
歩が自分の本当の気持ちを言えるシーンでもあって、ああここにこの物語が凝縮されていると言っても過言ではありません。
谷地が、「ごめんね 俺 いつだって肝心なことほど 上手にできないみたい」と言って泣いている歩にキスをします。
「でも ずっとちゃんと隣にいるから よそ見してたら声かけて」と言う谷地。
泣き笑いで歩も「うん 私も」と頷きます。
ああもう、なんていいシーンなの!(思わず叫んで犬にビクッとされる読者)
これ以降、谷地はぱったり焦らなくなり、ふたりでココアを飲みながら寝室の木目を手をつないで眺めたり、「いつものように」過ごしている様子が描かれます。
そんなマグカップが大活躍する日々の中で、谷地のカップがほんの少し欠けてしまい、欠片はついに出てきませんでした。
〝その小さな欠片がずっとこの家のどこかに残っていたら いいな″
そして谷地と善六さん達の引っ越しの日。
荷物をトラックに積み終えた谷地に、歩が「いつでも帰ってきて ここも谷地くんちだからね」と言います。
引っ越し屋さんに促されて、谷地はトラックに乗ろうとし、こう言うのです。
「藤田!」
まぶしいくらいの笑顔で「行ってきます!!」。
それに応える、歩の笑顔がまたかわいい!
きっと愛してしまうんだ。最終回の感想
マグカップが同じ家にそろうのは1年後だそう。
表紙にいつも書かれていた言葉で締めくくられた物語は、ほっこりと寂しさと、でも圧倒的な幸福感に満ちています。
全体を通して言うと、うちの夫もそうですけど、男の人ってどうしてこう、変なところで変に頑張るんでしょうね…。
そこ違うでしょ、と心の狭い私はキレてしまいます。
が、まぁそこを転がしてやるのが妻の務めよ、とうちの母には言われました…。
この二人には、きっといつまでも幸せな、尊重しあった日々が続くのでしょう。
一井かずみ先生にはお疲れさまと感謝を、そして二人にはこの言葉を贈りたいと思います。
「結婚はいいぞぅ!!」