琵琶
自分たちがもたもたしている間に、と焦る恋柱・甘露寺。
時透や不死川の弟が命をかけて戦い抜いた中、自分の不甲斐なさに苛立ちを募らせる蛇柱・伊黒。
二人は未だ上弦肆・鳴女を捕らえられずにいました。
そんな中、誰かが甘露寺の体を引っ張り上げます。
鳴り響く鳴女の琵琶の音。
気づいた時には、炭治郎と義勇は無惨の前にいました。
鬼との戦いで死んだ人を思い、怒りを隠しきれない炭治郎に、義勇もまた激しく憤った表情ながらも「落ち着け」と声をかけます。
そんな二人に無惨は、しつこいと一言言い放ち、私に殺されるのは大災に遭ったのと同じと思えと。
僅かな沈黙の後、炭治郎は静かに呟いたのでした。
無惨、お前は存在してはいけない生き物だ。
今まで感じたことのないほどの冷たい感情を覚える炭治郎。
相手は首を切っても勝てません、何とか太陽の下に連れ出さなければなりません。
無惨を倒すために頭を巡らせる炭治郎でしたが、先に無惨が動きます。
棘が生えた鞭のように変形した右腕を振る無惨に、義勇は何とか対応しますが炭治郎は早々に右目を傷つけられてしまいます。
更に追い打ちをかけるように鳴女が甘露寺と伊黒を殺したと言う無惨。
片目を失っても匂いで無惨の動きを感知しようとする炭治郎でしたが、速すぎる無惨に対応できません。
視野が狭くなっていた炭治郎は壁に激突し、絶体絶命。
策
しかしそこに殺されたと思われていた甘露寺と伊黒が乱入!
実は愈史郎が鳴女の視界を操り、情報操作していたのでした。
涙を流しながら激高する愈史郎。
屋敷が激しく移動する気配は別の場所にいるカナヲたちにも伝わってきます。
甘露寺たちと接触していた愈史郎は協力を乞い、鳴女の視覚を乗っ取り無惨の支配を外して脳内も乗っ取り、無惨に他の柱は死んだと思わせ裏で味方を集め一気に叩く策を提案していました。
愈史郎が鳴女を操っていることに気付いた無惨が、鳴女を通じ愈史郎の細胞を吸収しようとします。
その隙に攻撃を仕掛ける義勇と伊黒。
攻撃はあしらわれましたが、愈史郎の方が押し戻し始めます。
止むを得ず鳴女を殺す無惨。
愈史郎は細胞が完全に死滅するまでの時間で、何とか無惨と残りの隊員を外に出そうと試みます。
自身も攻撃を受ける中、甘露寺を助ける為咄嗟に死んでいった隊員の刀を投げて無惨の攻撃を妨害する炭治郎。
刀は無惨の頭部を貫き、無惨は「忌々しい餓鬼め」と炭治郎を睨みつけます。
夜明けまで
その時、建物が上昇し全員地上へと放り出されました。
外に出ることには成功しましたが、場所は市街地と想定から大きく外れた場所に。
地上に出せただけでも凄いことですが…夜明けまではまだ一時間半!
炭治郎が義勇たちの無事を確認する中、崩れた建物の中から全身から先が刃のようになった触手を生やした無惨が現れます。
夜明けまで私をこの場に留めるつもりか、と異形の姿の無惨。
柱3人が一斉攻撃を仕掛けますが、斬られた瞬間から再生している為切断が不可能。
間合いが近すぎる3人、やられると覚悟した瞬間彼らと無惨の間に一般隊員たちが割って入りました。
柱を守る肉の壁となれ。少しでも無惨と渡り合える剣士を守れ!!
今までどれだけ柱に救われた、柱がいなければとっくに死んでいたんだと死を恐れずに突き進む隊員たち。
やめて!!と泣き叫ぶ甘露寺。
炭治郎も続けと走り出そうとしますが、視界が歪みその場で血を吐いて倒れ込みます。
あれを見るがいい、と炭治郎に目を向ける無惨。
傷を負った右目の辺りの肉の形が歪になり苦しむ炭治郎を茫然と見る義勇たち。
無惨の攻撃には自身の血が混じっています。
竈門炭治郎は死んだ。
その頃、禰豆子起きろ。炭治郎が危ないと夢の中の父に語りかけられた禰豆子は突如覚醒しました。
猛然と走り出す禰豆子に、どうすれば良いか混乱する輝利哉。
追わなければと咄嗟に指示を出そうとしましたが、その時禰豆子は好きにさせなさい。大丈夫だからと囁く声が…。
追わなくていいと命を取り下げる輝利哉に困惑するくいなとかなた。
それでも…。
鱗滝が禰豆子の後を追っていましたが、速すぎてとても追いつけません。
行くべき方向を指差す父の姿を見た禰豆子は、躊躇なく崖から飛び降りました。
人間に戻る薬が効いていないのかと愕然とする鱗滝。