好きになったのはお前のせいだ!前篇のネタバレについて!プチコミック2月号

【好きになったのはお前のせいだ!】は、1月8日発売のプチコミック2月号の付録『平成最後の冬の恋~2月』に収録されている、室たた先生の読み切り作品です。

室たた先生の作品は、いつもどこか冬のにおいがするなぁ、と思っていたのでほんとに冬のお話でファンとしては嬉しい限りです。

続きはネタバレです!ご注意を。

好きになったのはお前のせいだ!のあらすじ

今回の付録のコンセプトは〝2月のある日″をトピックにした作品集のようです。

 

誰にでもある、良くも悪くも毎年訪れるちょっと特別な冬の1日。

 

室先生の描かれたお話は、〝2月2日″をトピックにしたものです^^

好きになったのはお前のせいだ!ネタバレ


引用元:好きになったのはお前のせいだ より

主人公は、由木あずささん。

〝とある事情″で、生まれてこのかた彼氏持ちという経験がありません。

 

本日は期待に満ちて臨んだ合コンで、なかなかいい雰囲気で2次会へ行こうと盛り上がっていた時です。

 

あずささんには見慣れた世にも美しい青年が、1次会の会場近くのガードレールに寄りかかっているのが目に入ります。

思わずギョッとするあずささんと、青年の美しさにどよめく合コンメンバー。

 

「だ…誰?」

「あずさ知り合い?」

と聞かれて、青年はほほ笑んで「あずさの幼さじみの天音伊吹です」と自己紹介。

 

さらにどよめく合コンメンバー。

 

「来ないでって言ったじゃん!!!!」

 

「別にちゃんと家まで送ってくれる男がいるんなら俺だってこんなトコ来なくていーんだよ」

とつらっと言う伊吹くん。

 

そして、視線を合コンメンバーにやって、「誰が送ってくれんの」と聞きます。

 

…こんな美青年と勝負しようなんて優良物件が合コンに来るわけなかろう…!?と思わず読者は思ってしまいますが、案の定、美青年のド迫力の視線に勝てる心意気のある男子は皆無。

 

全員半ば青ざめながら拒否。

 

その様子を見て、伊吹くんは「根性ねぇな」と吐き捨て、にっこりと笑って「いないって♡」とあずささんに言います。

 

「うるさいわねッッ!!!」と泣きながら怒鳴るあずささんとの表情の対比がスゴイ。

 

こうなったら引き上げるより他に選択肢はありません。

あずささんは泣く泣く伊吹くんと家路につくのでした。

 

道すがら、「2次会いいのかよ?」と聞いてくる伊吹くんに、「あんたのせいで台無しなのよッ」と怒るあずささんとのやりとりは、もはや過保護にされてる娘とお父さん。

 

「だって仕方ねーだろ こんな時間に酔っ払いだらけの繁華街を一人で歩かせるわけにはいかねーんだよ」

と言う伊吹くんを振り返りながら、伊吹くんがこうまでする理由となった出来事を思い返すあずささん。

 

 

13年前の2月2日。

中学生くらいの時に、不審者に車に連れ込まれてイタズラされそうになったあずささん。

恐怖に怯えているその口を、男の手が塞いだ時、伊吹くんが駆けつけて男を木刀で殴り飛ばしました。

 

この一連のシーンの伊吹くんの気迫と言ったらもう、ほんとにスゴイ。

言葉では表現できないくらいの気迫で、まだ小さな体で男を殺しかねない印象です。

 

あずささんもあわてて伊吹くんを抱きしめて止めるくらい。

naruhodo

こういう気迫みたいなものを表現すると室先生に敵う人はいないんじゃないかって私は常々思っているのですが、今回それが拝めてちょっと嬉しい…!出来事は深刻なんだけど!

当然のように過保護になったあずささんのご両親と伊吹くん。

一人暮らしをするにも「伊吹くんの隣の部屋なら認める」というくらいの連携ぶりであずささんを守り続けているようです。

 

…もう愛以外になんて呼ぶわけそれ…!と思う読者ですが、あずささんにはなんとか彼氏を作って伊吹くんと離れたいと思っているようです。

 

それもそのはず、勤務先は伊吹くんの勤める会社の子会社なので、仕事でも一緒になってしまうのです。

 

時々会社にやってきては、あずささんに大量の仕事を押し付けてゆきます。

親会社の営業トップなので、あずささんの会社の社長のおぼえもめでたく、それは同僚にも同様で、「もう天音くんと付き合っちゃえば?」と言われてしまう始末。

 

 

そんな状況で、〝世の中絶対間違ってる″と思いながら仕事を片付けているあずささんに、橋田先輩が気遣いの言葉をかけてくれて、不意の出来事についぽかんとするあずささんがなんとも不憫…!

 

先輩が「今ヒマなんだ」と言いながら書類を何枚か持って行ってくれます。

あずささんはお礼にランチを奢ると申し出ますが、先輩は「俺が奢るんならいいよ」とランチにつき合ってくれて、なおかつ「次はちゃんと夜にお酒飲まない?」と誘ってくれました。

 

あまりの急展開に、あずささんの気持ちはなんだかついていっていない様子。

 

けれど、〝その日″は着実に近付いてきていて、あずささんはよりによって〝その日″に先輩との約束を入れます。

 

〝進まなきゃ 前に 私も伊吹も″という心情吐露が切ないわ、このシーンのふたりの表情の対比がさすが室先生…!と思わされます。

 

同じ日の同じ出来事を、それぞれ抱えて生きてきたんだな、という切なさがここですごく伝わってきて、あーもうもどかしい…!!

 

あずささんは部屋に伊吹くんを呼んで先輩とつき合うから邪魔するな、ということを伝えるのですが、それを伝えるまでのやりとりをどっちの視点で見るのかで読む側の心境が変わると思います。

 

このシーン、あずささんは伊吹くんの有能さを「末恐ろしい」と思い、「その有能すぎる頭を私じゃなくて社会のために使え」と怒りをぶつけますが、それを受ける伊吹くんの表情がなんとも言えません。

 

そして、伊吹くんが「わかった」と言って部屋を去るシーンのあずささんの表情。

 

思い出すのは、〝あの日″の伊吹くんの言葉。

 

お母さんには「大丈夫」と言いながら、伊吹くんとふたりになるとフラッシュバックでカタカタ震えるあずささんの手を取る、伊吹くんの表情。

 

〝手を 放さなきゃ もう 伊吹を 解放しなきゃ″と思いながら先輩とお酒を飲むあずささん。

〝そのためなら 怖くない″という心情吐露がもう切ない…!!

 

笑顔を見せるあずささんに、先輩はふいにキスをしようと顔を近づけ、あずささんはとっさにそれをかわしてしまいます。

 

急すぎたと謝る先輩を見つめ、〝先輩はいい人だ とても″と思いながらも、あずささんは自分の体が言うことをきかないのを自覚します。

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うん、先輩はとてもいい人なのは間違いないなさそう。しかし、そういうことじゃないんですよね。

思わず先輩から逃げ出してしまったあずささん。

駅の出入り口で待っている伊吹くんを見つけて、ボロボロと涙を流しながらぶつかっていきます。

 

なんでいるんだと怒るあずささんに、「今日 あの日だから 心配で…」という伊吹くん。

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ここからラストまでのあずささんの言葉の嵐と、伊吹くんの表情、そして明かされる伊吹くんの想いの表現がもう切ない…!!これはもう、読んで!!(←ついに叫ぶ読者)

そして迎えるラストシーン。

好きになったのはお前のせいだ!前篇の感想

読者、ページをめくろうとして下の方を見てびっくり。

 

「つづく」って、書いてある…!!!

 

付録なのにまさかの前後篇―!!!!(ムンクになる読者)

 

イヤ、あるんですね、こういうこと。

2月のある日は、これにておしまいになるのですが、次はじゃあ、3月のある日が描かれるってことですかね!?

 

とにかくそれを待つしかないのですが、この前篇は本当に室先生らしい、切なさと優しさとコメディっぽさに満ちたお話で、最初の方でも言いましたけど、「恋のお話」というよりも「愛のお話」でした。

 

伊吹くんが自分に縛られていると無意識に思っているあずささんの健気さよ…(泣)。

 

もちろん伊吹くんも超絶素敵なんですけども。

あんな幼なじみがいたら普通、他にいこうとか思わないとオバチャン思っちゃった(笑)。

 

とにかく次号の付録が楽しみで仕方ない作品でした。どんな結末が待っているのかな~。