姉系プチコミック9月号（8月4日発売）に掲載された北川みゆき先生の大人気シリーズ4作目です。
毎回17ページ程度という短い物語の中に、ぎゅぎゅっと登場人物たちの気持ちがつまったすてきなシリーズですよねー。
おそらく誰しも 「さいごのおんな」になりたいと思いながら生きている。
そんな女性たちの気持ちを見事に代弁してくれる北川先生。
続きはネタバレを含みます、ご注意ください！
さいごのおんな 前回までのあらすじ
前回は、七夕をモチーフにしたお話でした。
7月7日が特別な日であるってロマンチックですよねー。
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さいごのおんな 4話のネタバレ
今回の主人公は、仁科千里さん、30歳。
冒頭、彼女は高級ホテルのスイートルームに、見知らぬ男性と二人きりというなんともドラマティックな状況です。
さかのぼること1時間前、同じホテルの最上階にあるバーで一人酒をしていた彼女。
気のせいか、ガラス越しにある男性に見られているようです。
チラチラと横目で確認すると、視線の主は２つ隣席のサラサラストレートヘアの印象的な男性。
同年代くらいの、なかなかの美形です。
落としたスマホを拾おうとしゃがんだ時に、ボーイさんがお客さんとぶつかって彼が持っていたお冷を千里さんに落としそうになったのをかばってくれた男性。
お礼を言おうとしても「いえ」とだけ言って去ろうとした彼の後ろの髪の毛がみるみる縮れていくのを見た千里さん。
つい口にした途端、バッと後ろ頭を両腕で隠して、彼は急いで立ち去ろうとしました。
それでもつい声をかけてしまった千里さん。
こうして、自分が取っていたスイートルームに名前も知らない男性を招き入れることになったのでした。
そして、男性の髪の毛をブローする千里さん。
実は彼女、美容師さん。
きれいなストレートヘアの男性が、実はものすごい天然パーマとあれば黙っていられるわけはありませんよねー（苦笑）。
ありがとう、そう言って鏡越しにまっすぐ千里さんを見つめる男性。
ちょっとテレくさそうなその表情は、意地っ張りなところがあるのかな、と思わせるかわいさがあります。
ていうか、すっごい天パを隠すためにあんなにきれいなストレートパーマをかけてるって、けっこうな意地っ張りですよね（苦笑）。
天パの人って、北海道民の星・大泉洋くんもですけど、どうしようもないところがあるじゃないですか（苦笑）。
大泉くんなんてそのどうしようもなさを生かして仕事してるところありますけど、この男性は見事に隠す方を選んで、縮れたらそこを手で隠そうとしちゃうというところがなんともかわいい（苦笑）。
イヤ、読者も縮れ方がスゴイんですけど、もうスチールウールみたいになってる箇所は放置です（苦笑）。勝てないんだもんどうしたって（汗）。
飽くなき闘いを繰り広げている彼は、相当意志の強い男性とお見受けします。
千里さんは、初めて目が合ったことに、少し嬉しそうな表情を見せます。
スイートに泊っている彼女に羨望なまなざしと称賛を送る男性。
しかし何かを隠すように笑顔になる千里さん。
実は、美容師でいるのも今日が最後であり、贅沢をしたのだ、ということ。
男性はまっすぐに前を見据えて話を聞いています。
さらに東京に出てきたけどふんだりけったりな日常だったことを、ブローしながらおかしそうに話す千里さん。
見合いでもしようかと、と言いつつも本音が見えないきれいな笑顔を見せながら話す千里さんに、男性は尋ねます。
納得しているのか、と。
相変わらず 本音が見えない笑顔のまま 千里さんは仕方ないと答えます。
うーん、キャリアをそうやって閉じられてしまった女性としては、そういう風に諦めるのはなんとなく、わかる気はしますよね。
しかたないって、便利な言葉。
男性は、この先もそうやって生きていくのか問いかけます。
驚く千里さんに、仕上がりを触って確かめながら男性は現実と向き合わないことを突きつけます。
さらには、逃げたいという意思もないと。
ぐっさりと、千里さんの胸に突き刺さる言葉。
またさらにガッカリする言葉を投げつけ、思わずプチンとキレた千里さんは、反感をあらわにまくしたてるのです。
カッとなりついにバカにするなと叫んでしまう千里さん。
自分の言葉に驚いて真っ白になる千里さんですが、次の瞬間、もっと驚くことが。
自分の両目から、大粒の涙がこぼれたのです。
これには男性もびっくりして立ち上がりますが、そんな彼に千里さんてばシャワーヘッドをつかんでバシャーッとシャワーを浴びせます。
さらに、バスルームに彼を残して飛び出す千里さん。
千里さんは、自分の本当の気持ちに気付いてしまったのです。
彼氏にひどいことを言われても、勤務先で理不尽に首を切られても、「しかたない」と思っていれば 傷ついている自分を認めなくて済んだのだ、と。
本当はずっと叫んでやりたかったのだと。
このシーン、読者はもう千里さんの年齢ははるか昔に通り過ぎちゃったのですが、気持ちが分かり過ぎてもう泣きそう…！
「しかたない」って便利なんですよね、ほんと。
タイミングの問題で仕事で失敗することがあっても「タイミングが合わなかったからしかたない」とか、彼氏が突如女遊びを覚えてフラれてしまっても「彼が望む遊び方ができないんだから仕方ない」とか、いくつもの「しかたない」に助けられていた時期が、読者にもたしかにありましたもん。
でもね、そういう「しかたない」にしがみつくとそこから抜けられなくなるんですよね。
戦う力が奪われるっていうか。
女性って、いくつになっても戦わないといけないことがある生き物。
その時、「しかたない」なんて言っていられない時期が必ず来るものですよね。
千里さんは、この1時間の出会いで気付かされた自分の気持ちに従うことに決めたようです。
そして実家の母親に電話をかけてる千里さん。
彼女の気持ちとは…
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さいごのおんな 4話の感想
この、バスルームから出てきた男性の髪の毛のくるんくるんぶりがもう、すげー愛しい…！！（笑）
髪がくるくるなだけで、すごく印象が変わるものなのね…！
たしかに、大泉くんがストレートだったらきっと今よりうさんくさく感じるだろうなぁ（←ファンです）。
そして、結局千里さんのお見合いはどうなってしまうのか…。
今回のお話は、まだ恋が始まる前のお話でしたけど、これもまたおもしろかったなぁ。
この2人、きっといいコンビになるんだろうなぁっていう期待感がスゴイ。
この2人の続編がいつか読みたいけれども、実現しないかなぁ。
今回の「しかたない」って言葉には、ほんとにちょっと考えさせられましたね。
便利だけど、便利に使いたくない言葉ランキングの上位に食い込む言葉ですよねぇ。
私も、今になってもそうやって便利な言葉にしがみつくことがないかを点検したい気持ちになりました。
さて、次回の「さいごのおんな」はどんな物語になるのでしょう？
楽しみです！
