『パーフェクトワールド』は、有賀リエ先生が描く、辛く悲しくも愛溢れるラブストーリー。
主人公・つぐみは、仕事の関係で偶然、初恋の青年・鮎川に再び出会うところから物語は始まります。
しかし、鮎川は車椅子姿で、障害を抱えていました。
つぐみは、そんな彼と困難な恋愛をすることになるのです。
3/13に発売された9巻では、つぐみと鮎川がやっと掴むことが出来た「幸せ」へのスタートラインが描かれ、新たな展開への幕開けとなっています。
パーフェクトワールドのあらすじ
鮎川は無事に手術を終え、また圭吾と楓の新居も完成しつつあることに、つぐみは安堵していました。
そしてさらに喜ばしいことに、つぐみは圭吾と楓から、二人が結婚式を挙げるという報告を受けます。
彼らもまた色々難点はありましたが、結果的に圭吾が楓の幸せを願って式をすることに至ったことを聞き、つぐみは自分のことのように喜びます。
しかし、つぐみはそんな彼らを喜ばしいと思うと同時に、自分と鮎川の関係の進展の無さに不安を感じるのでした。
ある日、つぐみは父との会話の中で是枝とは別れ、今は鮎川と付き合っていることを報告します。
そのことに対してつぐみの父は難色を示し、そして彼女の気持ちは理解されず、二人の関係に対する意見は反対のまま終わってしまいました。
後日、圭吾と楓の結婚式につぐみも参加していると、なんと鮎川もその場に姿を現します。
彼は術後の経過も良く、リハビリも兼ねている様子で、圭吾と楓にお祝いの言葉を述べました。
そして楓からも鮎川へ、自分たちの家を設計してくれたことの感謝の気持ちを述べます。
その台詞に、つぐみは自分と鮎川の将来へ思いを馳せざるを得ませんでした。
そんな幸せな状況の中、圭吾の弟から発せられた心無い一言につぐみは、ショックを隠し切れません。
そして、鮎川へ「何もいらないから鮎川と二人でいたい」という旨を口にします。
それを聞いた鮎川は一人で、つぐみの父を訪ねたのでした…。
パーフェクトワールド9巻のネタバレ
鮎川はつぐみの父を説得しようと試みますが、一蹴されてしまいます。
何度も何度も病院の父の元へ足を運びますが、それでも首を縦には振りません。
そんな鮎川につぐみも申し訳なく感じますが、鮎川はそれでも諦めませんでした。
鮎川が手土産にさくら饅頭を持ってきた日の事でした。
このさくら饅頭をきっかけに、つぐみの父が昔の自分、そして鮎川がつぐみをどれだけ思っているかを改めて実感させられます。
そこでつぐみの父は、ついに鮎川と二人だけで話すことを決意するのです。
彼が鮎川に伝えたのは、現在自分も実感している妻への苦労でした。
これと同じ思いを娘にはさせたくないから、どうしても鮎川との関係に賛成出来ない、とハッキリ述べたのです。
つぐみは鮎川からその話を聞き、自分がもっと父親と向き合うことを強く思います。
しかし、そんな矢先、父親は危篤状態になってしまうのです。
前日まで一時帰宅をして、元気だったのに…
と今自分と父が冷戦状態なことに悔やむつぐみは、必死に父へ呼びかけます。
そして奇跡的に状態を回復したつぐみの父は、もう一度鮎川とつぐみ、二人と話すことを試みるのでした。
場面は変わり、ある日偶然、是枝と長沢が出会います。
似たもの同士の自分たち……
過去のことを、鮎川とつぐみのことを思いやってしてきたことを、二人は口々に話します。
完璧に諦め切れている二人ではありません。
そう簡単に切れる思いでも覚悟でもなかったのでしょう。
しかし現実は自分の願いとは反した形になってしまっていることに苦笑し合います。
是枝は、つぐみのことがただただ心配で仕方ないのです。
一方でつぐみの父は、鮎川とつぐみを自分の元へと呼び出します。
父は、自分が危篤状態の時、鮎川の存在とつぐみを支える彼の強さを見て、回復にまで至ることが出来たと感謝を述べます。
そして、二人の出会いを祝福し、ついに彼らの将来を認めたのです。
こうして、つぐみは鮎川との付き合いをようやく父に認めてもらえ、幸せの日々を過ごします。
つぐみたちは再び東京へ戻ることも決まり、圭吾のレストランで楓と鮎川と4人で食事をしているときのことでした。
圭吾が楓の終活の話を始めます。
自分たちがこの先どう生きていくのか、残される自分がどうするべきなのか、そう話す圭吾に、つぐみもまた考えさせられるのでした。
そんな時、不意に鮎川がつぐみへプロポーズを行います。
突然の公開プロポーズに驚きを隠せない3人でしたが、みんなとても喜び、そしてつぐみも鮎川のプロポーズを快く受け入れます。
その夜、つぐみと鮎川の二人きりの時に、鮎川はもう一度つぐみにプロポーズをし、彼女へ指輪をはめます。
そして前向きに将来を語る鮎川に、つぐみもまた彼についていくことを改めて強く思うのでした。
いよいよつぐみと鮎川の結婚式当日、つぐみの父は娘の晴れ姿に歓喜を示します。
また彼女らを知る者たちは、長い道のりを経てここまでたどり着いた二人を盛大に祝福しています。
そして式の途中、鮎川の母から、つぐみへ鮎川が事故にあってから今までの思いと共に、一緒になってくれたことへの感謝の気持ちを述べます。つぐみは改めて障害者の大きな傷を感じるのでした。
披露宴が進む中、つぐみから鮎川へサプライズプレゼントが贈られます。
それはつぐみが描いた2枚の絵でした。高校生の頃に描いた、校舎と桜の絵と、鮎川のバスケ姿…。
また一つ、二人は過去を 過去を乗り越え、未来に向かって歩き出したのです。
最後に、是枝と長澤が二人でお酒を飲むシーンが描かれています。
つぐみと鮎川のことを話す二人…
すると長澤は二人の結婚式へ手紙を書いたと言い出します。
それは、つぐみを認め、彼女と鮎川の未来を信じ、応援する内容でした。
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パーフェクトワールド9巻の感想
つぐみと父親のシーンでは、父親としての気持ちもとても分かり、障害を持つ人と結ばれることが、如何に大変なことなのかを改めて感じさせました。
しかし、それでもけして諦めない二人に、大きな愛と絆の深さを感じます。
乗り越えなくてはいけない壁の、第一段階をまずは超えることに成功したつぐみと鮎川は、この先どんな結婚生活を送るのか、やっと掴んだ幸せは一体いつまで続くのか、今後の展開が待ち遠しいです。
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