プチコミック11月号に掲載の海石ともえ先生の読み切り作品です☆
本誌では初カラーでの登場で大注目の作家さんの作品で楽しみ^^
結婚を控えた主人公の桜良真希と、同期の清水くんとのお話の「花に一線」のネタバレと感想です!
引用元: プチコミック11月号 花に一線より
真希は自分を容姿も中身も十人並みの人間と自覚し、いわゆるデキる男キラキラな清水くんを異世界の人間だと思い、同期ながら極力接触を避けてきました。
自分は婚約も決まっているし、関わることもないと思っていたのですが、ある日清水からお祝いの言葉をかけられます。
しかし清水の様子はおかしく、目を泳がせ挙動不審。
ふだん清水とは挨拶ほどしかない関係、なのにこの態度に真希は不信がり、腕をつかんで問い詰めます。
清水は岩井と知らない女性が親しげに歩いているのを見かけたため、真希が浮気されているのでは、と心配していたのでした。
退社後、真希の婚約者の岩井を尾行する二人。
なぜ清水くんまで…と真希は思いますが、放っておけないと同行する清水。
女性と落ち合った岩井はなんとそのままラブホテルへ…!
何と分かりやすい浮気…!おバカちゃんか…!?と思ってしまいました。
そこでなんと真希は岩井に声をかけるのです。
声をかけてしまうことにも読者としてはびっくり!
真希は冷静に「とりあえず婚約は白紙に―…」と申し出ますが、岩井はあろうことか「わざわざ波風立ててくれるなよ、君らしくもない」などと言いました。
それを聞いて、一瞬真っ白になる真希。
清水は真希を差し置いて岩井につかみかかり
「それが 生涯添い遂げようと決めた相手に言う言葉ですか!!」
と怒鳴り、その声で我に返った真希を連れて帰ります。
真希は、この事態に怒れないばかりか、岩井ではなく、まるで自分が怒られているかのような気持ちになって何とも言えない気持ちになるのでした。
それから、数日後。
真希は先日のことを清水に詫びますが、逆にスゴイ勢いで謝る清水www
婚約を解消したのは自分のせいだと思い、もしかしたら真希の幸せを壊したかも知れない、と。
真希は、自分が傷つかないように身の丈をわきまえたものを選ぶようにして生きてきたこと、服も仕事も、男性もそうだったと告白します。
不誠実な岩井も自分も同等だ、岩井のこともそんなに愛してはいなかったことに気付いた、と逆に清水にお礼を言います。
清水は切なそうに真希を見つめて言います。
「桜良さんは、もっと自分の価値を上げるべきだと思う」
このシーンを読んでいて、読者としては身の丈に合うって大事だけど本当に好きな人とするから結婚はいいんだぁぁぁ!という気持ちと、清水くん、もうちょっと具体的に言ってあげてほしい…と思ってしまいました…。
真希は清水に言われたことを考えながら、今日も残業を引き受けています。
同僚たちは失恋した真希を気遣ってか合コンに誘いますが、真希はそうっと逃げていきます。
そんな真希を見て、清水が手伝おうかと申し出てくれて
「今は一人で集中したいって言うんなら コーヒーでも差し入れる」
と胸を張って言います。
真希がそれ結局一人にしてくれないってことだとツッコむと、「あ バレた?」と笑顔になる彼。
温かい彼の気遣いに、”この人の気の遣い方 好きだなぁ″と真希も笑顔になります。
休憩しつつ、清水に言われた自分の価値について考えてみたことを報告する真希。
まずは形からということで資格を取ろうと思っていると告げると、清水からは真希がいかに前向きに物事をとらえているのか、人の話をまじめに聞いて考えているということを褒められ、そんな真希に自分も頑張ろうと思えると。
いろんな「価値」がありますものね。普段の何気ないことが、誰かにとって大切な価値になることってありますよね。
真希は「地球上の男の人がみんな清水くんみたいなら誰も苦労しないのに」と軽く言いますが、清水は「俺は、桜良さんが思ってるような奴じゃないよ」と全否定。
気付け真希…!と読者は思うのですが、真希は「じゃあ どういうやつなの」と考えてしまいます。wwwまじめや…。
ある休日、ふとしたことから映画を一緒に観に行く事になった二人。
高嶺の花の清水くんと一緒に映画を観ていることに、真希は嬉しくて、ちょっとこそばゆくて。
よい映画の余韻もあって、清水くんはこの後どうする?と自然に聞いてきます。
真希はまだ一緒にいられることが嬉しく清水の希望を聞きますが、清水の返事にまだ負い目を感じて元気づけようと誘ってくれたのだと誤解します。
真希は苦しい言い訳とともに別れてしまいます ”リセットしよう″ そう思いながら。
翌日、心配した清水は真希を探し、屋上に。
大丈夫か問う清水に、真希は不自然な明るさで「大げさだなぁ」とやり過ごそうとします。
しかし去り際に泣きそうな笑顔で「今までありがとう」と清水に向けると、清水の感情は大爆発です!
清水は、結婚を祝福するつもりだったけど、岩井の浮気を知ってチャンスだと思っていた。
「情けないけど ずっと好きだった」
と告白します!
しゃがみこんでいる彼に、真希がキスをするシーンの清水の表情がとても印象的です。
身の丈に合うことを重視しすぎて、清水くんと関わらないようにしていた真希と、そんな真希を目で追うしかできなかった清水くん。
見えない一線で隔てられていた二人が、引かれた線をとりはらう瞬間でした。
キスをして、
「ごめん、なんか愛しくて」
という真希。
ギュっと抱きしめ、
「僕はずっと あなたにそう感じていたよ」
という清水の笑顔のシーンで終わります。
”これ以上にない距離で 花を愛でよう″
お互いの心情吐露とともに。
花に一線の感想!
この作家さんの作品は、何度か読んだことがあり、かわいいお話だなと思う事が多くて応援している漫画家さんの一人です。
今回のはきっと、展覧会とかでは「お花に触れないでください」というテープというか線が引かれている、その花をお互いに見立ててのタイトルだったのかな。
しかし、それがちょっと活かされていなかった感じがしたのが残念ではありました。
でも浮気現場を押さえても冷静に婚約を解消しようと言えてしまう真希の冷静さや、いわゆるスパダリ星の住人が恋に臆病な事もあるというのが設はとてもおもしろく、表情描写が丁寧で、今後が楽しみな作家さんです。
またプチコミック姉妹誌のあちこちで登場予定だそうです。楽しみです!