2019年1月28日発売のココハナ 2019年3月号【アシガール】の最新話!
アシガール 番外編を読んだのでネタバレと感想をまとめました。
この番外編はアシガール第12巻に収録されるのではないでしょうか。
ついに現代と戦国という時代を超えて結ばれた若君と唯ですが、今回の番外編は2人がまだ結ばれる前、初めて出会った時のお話。
続きはネタバレになります、ご注意ください!
アシガール 前回までのあらすじ
ついに忠清の許婚となった唯は、両親に若君との婚約を認めてもらい、正式に祝言をあげることに。
唯は、忠清と結ばれたことは本当に許されることだったのだろうか、と一瞬躊躇います。
しかし例え許されないことであったとしても自分が決めたことだから、精一杯生きるためにただ出来ることをやるだけだ、と改めて2人で生きていくことを心に決めるのだった。
アシガール番外編のネタバレ!忠清と唯、2人の初めての出会いとは…
永禄二年の秋。
その年の羽木家は高山との合戦が二度も続き、甚大な被害を受けていた。
一方で北からは野上衆が黒羽城を虎視眈々と狙っており、大変な状況であった。
そんな中、高山軍が現在修復中である小垣城へ奇襲をかけた、という報せが羽木家へ飛び込んで来た。
それを聞き小垣を助けるためにもすぐにでも援軍を出すべきだ、と強く主張する忠清に、父は小垣城はすでに敵の手に落ちてしまったことを伝える。
小垣にいる者達はどうなるのか、見捨てるのか、と強く問い詰める忠清。
だが、わずか二百程しかいない小垣兵は敵の奇襲を受けとても生き延びているとは思えない、
城の守りを固め北からの野上衆の攻めに耐えるためにも、今は小垣城を奪い返す時ではないのだ、と父は告げるのだった。
現状に納得できず思わず一人で馬を連れ駆け出す忠清。
まさか単身で小垣に行ってしまうのでは、と心配する小平太。
対してじじ様は、若君はそんな馬鹿なことはしない、大切な者達が敵の手に落ちていくのをただ見捨てていくしかない、そんなやりきれない思いと自分への不甲斐なさを振り切るためにひと駆けしに行ったのだ、と悟す。
心配そうに自分を見つめる馬に対して、自分は大丈夫だから案ずるな、人はさぞ醜いものだと一人嘆く忠清。
同じ世に生きる人間同士、きっと人それぞれ愛する者、大切な者がいるにも関わらず、奪い合い、殺しあう…。
そんな戦国の世のやり切れなさや悲哀を感じ、野に体を預け空を見つめる彼の元に、急に「しいたけだアア!!」という奇声が。
思わず身体を起こし声のした方へ目を向けると、そこには四つん這いで進む小柄な足軽の姿が。
足軽の進む方に目をやるとそこには毒きのこ…。
見目麗しい彼に一目惚れする足軽姿の唯だったが、一方忠清は、彼女に対して「また会おう、足の早い小僧」と声をかける。
そして唯と別れた後も、人が憎み合い殺しあう、こんな世に生きていかねばならないことを憂いていたが、腑抜けた顔をした、呑気で明るい奴もいるものだなあ、と思わず笑いだす。
そして、久し振りに声をあげて笑ったなあ、とふと気づくのだった。
これが唯と忠清の初めての出会いとなるが、彼はこの足軽が未来の愛する奥方だったとは、今でも気づいていない。
アシガール 番外編の感想
前回までで戦国と現代という、悠久の時を超えた唯と忠清の物語も、2人が幸せに結ばれるというハッピーエンドで一旦区切りがつきました。
今回はその2人の初めての出会いを描いた番外編。
冒頭からの小垣城の1件は、戦国という世で生きていくことの儚さ、その中で自分の中の葛藤とも闘いながら皆を率いていかなければいけない忠清の孤独を改めて感じるものでした。
物語全体を通して思うのは、猪突猛進、天真爛漫、大好きな若君を素直にいつでも愛すことのできる唯の純真さが、忠清の抱える孤独を癒しているのだなということです。
大切な者がいついなくなってしまうかわからない、そんな不確かな時代だからこそ、くだらないことでも自分を笑わせてくれ、いつでも全力で愛してくれる存在というのは強い支えになるのだと思います。
戦国時代、これからの羽木家にも嬉しいこと、悲しいこと様々なことが起きるでしょう。
2人の物語も次回からは新章スタート、ということで一緒に生きていくことを決めた唯と忠清が戦国の世をどのように乗り越えていくのか、とても楽しみです。